Cheersが独断と偏見で選んだ、プレシャスなメンズを毎回インタビューしてご紹介させていただきます。略して『プレメン』コーナー
今回は、北島三郎講演が行われている博多座にお邪魔して床山師の深町二宏さん(62歳)にインタビューをお願いしました。
深町さんは、現在千葉県柏市で奥様、長男(32歳)、長女(24歳)の4人家族で暮らしています。柏市と言えばサッカーのJリーグで有名な柏レイソルの本拠地です。息子さんは柏レイソルのサポーターをされているようです。お会いしてみてびっくりしたのが、とにかく「若い」こと。そしてセンスが素晴らしいことです。
床山師として活躍されている深町さんですが、現在は細野かつら店に所属しています。一方で、女優さんから直接オーダーが入ることも多く、そうしたことからも深町さんの人気ぶりが伺えます。
そんな深町さんに色々とお話を伺ってみたいと思います。
| 床山師のお仕事を分かり易く教えていただけますか? | ||
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会社としては現在十数人と全盛期に比べて随分減りましたね。やっぱり「かつら」を付けること自体が少なくなっていますからね。そういう中で、「かつら」を作る人もいれば、私のように「かつら」を結う人もいます。 床山というと、お相撲の世界にもいますが、私達の場合は、「かつら」を結うのが専門です。昔は、男性を扱う場合は「床山」といい、女性を扱う場合は「髪結い」と言っていました。 |
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| どうやったら床山師になれるんですか? | ||
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最近は若い方が入ってくることは本当に稀ですが、大体は美容専門学校などを出て、こういう職業があるということを何処からか聞いて訪ねてくる方はいますね。 その場合は、師匠に弟子入りするというカタチになります。 |
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| 深町さんの場合はどういう状況でこの世界に入られたのですか? | ||
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私の場合は、最初からこの世界を目指したわけではなく、16歳の時に映画のエキストラから入って、映画のメイクの世界の方と知り合いになって、その方の紹介で「かつら」屋さんを紹介してもらったのがキッカケですね。 その当時は映画が全盛期で東映では市川歌右衛門、萬屋金之助、日活では石原裕次郎など、いわゆる銀幕の大スターが活躍していた時代ですね。そして「かつら」屋さんの仕事で新国劇団と関わるようになったというわけです。その後、師匠が細野かつら店に行くことになり、一緒について行ったという次第です。 |
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| 床山師としてはどれくらいで一人前になるのですか? | ||
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一口に言えば10年修業してという感じですかね。早ければ7~8年で男型を担当する人もいます。その後で女型を担当するという流れです。それで完全に独り立ちできるようになるのが15年くらいだと思いますね。 どういう師匠に付くのかにもよりますが、私の場合は師匠に恵まれた方だと思います。今思い返せば厳しい方々でしたが・・・(笑)。一方で、職人の世界ですから、その人なりのセンスで差が出ます。 |
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| その場合のセンスってどういう所で出るのですか? | ||
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やっぱり「かつら」としての美しさと付けた時のフィット感ですかね。これらが技術的な部分で女優さんたちからの評価につながるのだと思います。それに加えて、人と人の関係がとても重要だと思います。最後はお互いの相性が合うか合わないかということになります。 ある意味、技術以上に相性が大切かもしれませんね。一番理想は自分が作ったものを気に入ってもらえるのが最高ですが、女優さんによっては、その方の考え方に合わせていく必要もあります。ただし、どうしてもお互い相容れないというケースもありますよ、お互い人間ですからね(笑)。 |
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| ある時期にTBSに出向をしたということですが・・・? | ||
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やっと床山師として一人前になってきた時期(27歳頃)にTBSの時代劇全般に関わらせてもらうことになりました。2時間もの、3時間ものはほとんどやりましたね。最高で7時間ものをやりました。こうした番組の場合、主役級の方々ばかりですから、それはそれは色々な意味で大変でした。 女優でいえば、杉村春子、京塚昌子・・・男優でいえば、森繁久弥、三国連太郎、宇野重吉・・・などですかね。TBSとしてもTVの全盛期だったと思います。 |
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| この仕事を通じてよかったと思う瞬間はどんな時ですか? | ||
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女優さんに感謝された時ですかね。また、自分で納得できる仕事ができた時ですね。人対人の仕事ですから、お互いが通じた時の感激は本当に嬉しいですね。 それと仕事を通じて色々な地域に旅行ができることですかね。昔は忙しすぎて、地方に来ても、とてもそんな時間は取れませんでしたが、最近は少し余裕も出てきたので、地方公演の合間の時間を堪能しています。 |
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| 自分らしくナチュラルでいるために心がけていることはありますか? | ||
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年寄りっぽくならないように心がけるということですね。特に女優さんを相手にする仕事ですからね。そういう意味では着るものに関しても、センスあるもの(=年寄りっぽくならないもの)を選ぶようにしています。いい物を身に付けるという意味ではなく、センスあるものということが大切なんだと思います。 最近、自転車(ロードレーサー)に凝っていまして、地方に行った時に一人で自転車であちこち出かけるのが気に入っています。今回、福岡にも自転車を持ってきて色々なところに出かけましたよ。本日、福岡の講演が最終日だったので、先ほど自転車を千葉に送り返したところです。 |
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| 最後に九州の女性に対して一言 | ||
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言葉遣いですかね。特に方言というのはいいですね。方言は地域性を表現しているので大切にしてほしいと思います。 博多に来て博多弁を話す女性に出会うと「いいなぁ!」って思います。特に若い女性にどんどん方言を使って欲しいと思いますね。 |
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今回も本当に楽しいインタビューでした。最初に深町さんに会うまでは、失礼ながら、よくある職人気質の方で話が盛り上がるのか心配しましたが、お会いした瞬間にその心配は吹き飛びました。
とても印象に残ったのが、年寄りっぽくならないように心がけているということと、若い女性に方言をどんどん使って欲しいと言ってくれたことです。
次回、福岡に来た時は、深町さんを囲んで、ここでは聞けなかった話を美味しいお酒と酌み交わしながら聞いてみたいと思います。
【 特集1 】'a vin de garde(アヴァンギャルド) 浦 浩二さん
【 特集2 】マイノリティレッブ 上妻 善弘さん
【 特集3 】西南学院大学(福岡市)国際文化学部教授 片山 隆裕さん
【 特集4 】プロダクトスタジオzakki/木工作家 松藤 洋さん
【 特集5 】床山師 深町 二宏さん

さすがの素晴らしいカツラの出来栄え!

床山部屋の光景には驚きました

温かい笑顔が印象的な深町さん

愛おしそうに髪結い道具を見つめる深町さん

長年の付き合いの商売道具





